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「あなたの命の値、つまり未練の大きさに等しいものは………こちらの商品になります。」
国を一つ消す。
国を一つ救う。
世界中に恵みの雨が降る。
「俺の命一つで、こんな大層なことができんのかよ。」
「そりゃあ、もう。あなたの未練は、最大級のものですからね。」
俺に未練なんてない。
何を言ってるんだ彼は。
ためらうことなど、なにもなかった。
足がすくむなんてこと、なかった。
だから、未練なんてない。
「…………お客様にオススメの商品は、こちらになります」
彼はページをめくった。