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子供の声が聞こえる。
俺は声のする方を向いた。

わらわらとたくさんの子供の中に、一人だけ、俺と同じくらいの、女の人がいる。


「今日はー??今日はどんなお話ー???」

子供たちがその人に話しかける。
俺は遠くから、それをじっと見てる。

「今日はね、みんなの大好きなお話だよ。」

「わーい!!やったー!!!!」

その人は、子供に絵本を読み始めた。


一通り読み終えると、子供は四方八方バラバラと散らばっていく。

子供がいなくなった後、俺はその人に声をかけた。




「…………二葉。」
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