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俺は声のする方を向いた。
色白の、真っ黒な髪の、少年が立っていた。
この子は、天使なのだろうか。悪魔なのだろうか。
いや、そんなことはどうでもいい。
なぜなら、どちらでもなさそうだからだ。
「楠木 玲様でございますね」
その少年は俺の名前を言い当てた。
ここが死後の世界ならば、なにが起きようと不思議じゃあない。
俺はさほど驚かなかった。
「えぇ、そうですけど。」
無愛想な返事を返す。
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