片思い―大好きな君へ―
放課後…
「ゆき!かーえろ!」
「うん!」
沙織があたしにかけよってきた。
「帰りも一緒じゃないんだね…」
「…うん。」
沙織はどこか哀しそうに言った…。
「和紀…あたしのこと好きなのかな…」
「え?」
「だって…和紀この頃何話しても聞いてるのかな聞いてないのかわかんない反応ばっかだし…」
沙織は泣きそうだった…。
「沙織……大丈夫だよって!そんなの気のせい気のせい!」
あたしは明るく言ってしまった…。
あたしの言うことなんて全然頼りにならないのに…。
「ありがと…ゆき。」
沙織は一粒の涙を流しながら顔を上げて笑顔で答えてくれた…。
「大丈夫だよ…」
あたしにはこれくらいしか出来ないから…。