彼氏
今回も泊まりがけの試合で、試合後は基本的に各々自由時間だ。


1回戦後、私と美波はユニフォームを洗濯しにコインランドリーにいた。


美波は高橋君にメールをしている。


私は洗濯機が回るのをぼんやり眺めていた。


「結衣、一時期にくらべたら元気出てきたよね。もう大丈夫なの?」


美波に聞かれて苦笑いになって答えた。

「まだ大丈夫って言いきれないけど、後ろ向きすぎて心配かけるのもダメだなって思って。この先どうなるのか…ハッキリふられちゃうのか…色々不安だよ。」

「そっかぁ。辛いときは言っていいんだからね。」


「うん。ありがとう。」



美波と話してると、コインランドリーに部員が2人入って来た。


佐野君と高梨君だ。

「あの…こいつが綾瀬マネージャーに話があるらしくって。2人きりにしてやってもいいですか?」
佐野君の言葉にドキッとした。

まさか別れ話…

不安が顔に出てしまったらしく美波に、
「大丈夫?」

って聞かれたけど、答える間もなく美波は佐野君に引っ張られて出て行ってしまった。
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