彼氏
「結衣も食べるだろ。」

吏玖にあんまんを渡され、少しかじる。

お腹はすいてるはずなのに食が進まない。


そんな私を見て吏玖が聞いた。

「元カノのこと気になってる?」

私は小さく頷いた。

「俺が元カノと話すの嫌?」


「…嫌じゃないって言ったら嘘になるけど、色々考えちゃって不安になる。」

私は吏玖の顔が見れない。

「例えば、何が気になる?」

「…言ったら嫌いになるよ。」


「ならないから、言ってよ。」


「…じゅあ、言う。元カノと何年付き合ってた?」

「3年かな。」

「どっちが告って付き合ったの?」

「俺から。」

「何で別れたの?」

「自己中で、俺の事を思いやってくれなかったから。それに、結衣の事が好きになったから。」


「…キスとかした?」

「…したよ。」


「……………何で…私にはしてくれないの…」

私の目からは涙が溢れ出てきた。

知らない方が幸せなのに、聞かずにはいられなかった。


そんな私を吏玖は抱きしめて、私が落ち着くのを待ってくれた。


「俺が結衣に何もしないの、気にしてたの?」


「…うん」

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