恋愛勝負
~Love★Game~
「とりあえず俺は直が大嫌いっちゅーことやな♪」
笑ったまま、会長はさらりと言った。
前で腕を組んでいるから、自慢してるみたい。
いきなり目の前の影が動いた。
「あっ、直!!」
スタスタと足を進める直。
呼ぶと直は少し止まって、
「おい変態野郎。俺の奈緒に手ェ出すなよ。」
振り向きもせず、それだけ言い放ってその場を去った。
“俺の奈緒”
その言葉にあたしは頬を染めた。
「なんやアイツ…」
不思議そうに顔をしかめる会長。
ふたつの影がくっきりと白い壁に浮かんだ。
残るは少しの熱と謎。