恋愛勝負
~Love★Game~
「おぉ、ようやっとるやん♪」
「会ちょ…慧先輩、どうしたんですか?」
慧と呼んだからか少し微笑んでくれた。
あたしはさすがの暑さにカツラをとった。
「見回り。生徒会長サマやし?」
「お疲れ様です!」
辺りを見てから、こっそりあたしに耳打ちをした。
「学校中で騒ぎやで?美少女メイドとイケメン執事がおる~って。」
「あはは…」
やっぱり苦笑い。
でもイケメンって言われるのは少し嬉しかったり。
「嫌なん?」
「えっと…まぁ。」
「似合っとんのに~。まーでも俺は奈緒のメイドの方を拝みたかったんやけど」
こんなコトをさらっと言いのけてしまうところを見ると年上だと思わせられる。
この人がモテるわけが、顔だけじゃなくて、分かるような気がする。
神保慧のもつ、ただならぬオーラと包み込むような優しさ。
それにこの長身と赤みかかった茶髪。
少し垂れた目と笑ったときに見える八重歯が心を虜にする。…らしい。
「きゃー会長、こっち見てぇ~!」
さすが。