恋愛勝負
~Love★Game~
静かに屋上のドアを開く。
キィと錆びたドアノブが擦れた。
「早いな」
先輩は音楽を聴いていた。
イヤホンを外しながらあたしを見る。
「…泣いたんか」
短い言葉で、あたしの見られたくないところをすぐに言い当てる。
何だか全て見透かされている気がして。
そんな先輩が嫌いだった。
それでも。
誰かに気付いてほしいと願う自分もどこかにいて。
そんな先輩が好きだった。
だけど。
今まで恋愛対象にはならなかった。
きっと、これからもそれは変わらない。
変わることはないと思う。