恋愛勝負
~Love★Game~
「未優ね。お姉ちゃんが死んだ時…一瞬、嬉しかったんだ」
真優が亡くなった…2年前のあの日。
未優は泣かなかった。
口元が、そっと笑ったようにさえ見えた。
「ずっと思ってた。
“お姉ちゃんなんて居なくなればいい”」
「未優…」
「パパもママもお姉ちゃんばっかり。
何でもできて綺麗なお姉ちゃんはいつだって可愛がられて。
未優のことなんて誰も見てくれなかった」
未優の瞳には涙が浮かんでいた。
「お姉ちゃんさえ…お姉ちゃんさえいなくなれば。
そうすれば皆、未優を見つけてくれる。
信じて、願って…お姉ちゃんを憎んでた」
…確かに。
あの頃の真優を見る未優の目は、姉を見る目ではなかった。
心の奥底から憎しみがにじみ出ているみたいで。
「闇の中で、直だけは未優に笑ってくれたの。
…それさえも、お姉ちゃんは奪っていった」
未優の口から出でる闇が、いつしかの俺を甦らせる。