恋愛勝負
~Love★Game~
十分優しくないから!!
…なんて思ったり。
でもそれが言葉として出ることはなかった。
直の瞳があまりにも真剣だったから。
にこり、とも。
にやり、とも。
何一つ笑う素振りさえ見せなかった。
「最初は良かった、
別に好きになってもらわなくても。」
形の整った綺麗な唇が動くと同時に
低い声が空に響いた。
「でも、それだけじゃダメになって。」
きつく、壁についた手を握りしめて。
「俺を見てほしい、って思った。」
喉の奥から出てくるような、そんな。
「直…?」