下心と、青春と
「あ、そうだね。なんかよく考えられなくて、変なこと聞いちゃった。ごめん」
「いいよいいよ。それで?」
私の家と千代吉くんの家は、結構近い。
学校からは私の方が近い。
「さっき、一香に『好きだよ』って言われた」
「えっ!?マジ!?」
「うん」
私が梨太郎と付き合うってことになって(偽装だけど)、一香もついに決心したってことか!
「そ、それで?何て返したの?」
「僕も『好きだよ』って言った」
「……ん?」
あれ?普通に上手くいってるじゃないか。
「そしたら、一香が急に怒りだして、『私が言ってるのはその好きじゃない。もう一緒に登下校してやらない』って」
「あー……なるほど」