下心と、青春と
無言で歩き続ける私たち。
この道だと私の家の方面だけど、剣之助くんは大丈夫なのだろうか。
というか、彼はチャリ通?歩き?電車?
家は近いのか遠いのか。
全然分からん。
「あのさ、剣之助くんの家ってこっちの方なの?」
「いや」
「えっどの辺なの」
「ずっと向こうだな」
「あ……ってそれ学校から出た時点で反対方向じゃないの!?」
「おう」
「いや、おうじゃなくて……。これじゃあ申し訳ないよ」
私がそう言うと、剣之助くんはキョトンとした顔で
「何が」
と言った。
「うん。剣之助くんがわざわざ私の家の方にまで来てくれてるのが」