下心と、青春と
「い……」
かなり強くつかんでいる。
爪がくいこんでますよ梨太郎くん。
「怒ってないよ☆」
私はそう言って梨太郎にでこピンをする。
思いっきり、ね。
ええい、もうやけだ!
私は、気持ち悪い梨太郎のテンションに付き合ってやることにした。
「よかったぁ!」
「そんな喜ぶことじゃないよー!」
このこのーと戯れているように第三者からは見えるかもしれないが、私たちは全力で戦っていた。
こいつ、やるな……。