下心と、青春と


……ムカつく。


私は仕方なくボロボロの上履きをはく。


時間があったらスリッパ借りに行こうと思ったけど、もう時間はない。


今日一日ボロの上履きで我慢するしかない。


「すっげえ似合ってんよ、それ」


「それはどうも!」


私は背伸びして梨太郎の髪を引っ張る。


「痛っ!何すんだ!」


「仕返しじゃ!」


とこのまま取っ組み合いになるかなと思ったけれど、急に梨太郎は喧嘩をやめた。


ああ、クラスの子がいたのか。


私は平然と教室に入った。


私がボロボロの上履きを見たクラスメート(主に女子)はクスクスと笑っている。


なるほど。


これがいじめっていうのか。


< 69 / 81 >

この作品をシェア

pagetop