冬恋物語-Winter love-
・ハッピーノエル
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元はと言えば、
お兄ちゃんがあんな馬鹿な友達を作ったのがいけなかったんだ。
「あーっ!乃絵留(のえる)ちゃんだよね!?
オレ、仲原 三汰(なかはら さんた)。イケメンだろ?」
あれはたしか、中1のクリスマスイブのことだった。
私はお母さんに頼まれ、
クリスマスパーティー兼
私とお兄ちゃんの誕生日パーティーの買い出しから帰ろうとしていたところだった。
「……サンタ…さん?」
ふと頭の中に、あの赤と白のおじさんが浮かんだ。
「そうそう、オレ三汰!聖夜(せいや)の親友」
聖夜とは、私のお兄ちゃんのことだ。
今日はお兄ちゃんの誕生日。
クリスマスイブに生まれたから、名前は聖夜。
そして、私の誕生日は明日。
つまり、クリスマスが誕生日。
ノエルはフランス語でクリスマスという意味らしい。
だから私の名前は乃絵留。
そして、お兄ちゃんの親友はサンタ。
……冗談じゃない。
「荷物重いだろ?持ってやるよ」
そう言ってサンタさんは、私の手から買い物袋を取った。
「いっ、いいです。持てます!」
取り返そうとしたものの、結局サンタさんは家まで荷物を運んでくれたのだ。
これが私と先輩の出会い。
4年前のことだ。