冬恋物語-Winter love-
「え?」
「今まで先輩のこと迷惑に思ってました。
ナルシストだし、強引だし……。
でも、でも、私、
これからは先輩の彼女として一緒にクリスマスを過ごしたいです」
そこまで言いきったところで、
私は初めて先輩のことを好きだった自分に気づいた。
今まで嫌だったはずなのに、今日佐々木と過ごしてみてわかった。
「……乃絵留ちゃん」
私は先輩とクリスマスを過ごしたい。
ふいに先輩の温かい腕に包まれる。
「好きだよ」
耳元で聞こえる先輩の甘い声と、街に流れるクリスマスソングを聞きながら
私は先輩の背中に腕を回した。
サンタさんはクリスマスイブに素敵なプレゼントをくれた。
サンタクロースは、私にサンタさんを届けてくれたのだ。
end