冬恋物語-Winter love-

・今宵幸せを君に






□■□■



「…ってわけなの、ねぇお願い。彼氏役やってくれない?」


隣の席の赤坂乃絵留は、


俺に彼氏役をやってほしいと頼みこんできた。


「彼氏役ねぇ……。別にいいけど」


好きなやつに彼氏役を頼まれるなんて、皮肉な話だ。


俺を恋愛対象として見てないことは明らかにわかる。


「本当にっ?」


「あぁ」


赤坂が3年のサンタっていうやつとクリスマスを過ごしているのは


前から知っていた。


去年のクリスマス、街の大きなクリスマスツリーの前で寄り添っている2人を見たのだ。


てっきり付き合っているのだと思っていた。


が、違うらしい。


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