冬恋物語-Winter love-
・Sweetな後輩
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「別れよ」
臨(りん)にそう言ったのは、たしか1ヶ月くらい前のこと。
臨は1つ年下の後輩で、男のくせに私よりはるかに可愛い。
それはもう、比べものにならないくらい。
黒目がちなぱっちり二重の大きな目に、びっくりするくらい長いまつげ。
丸くて小さな鼻に、小さな顔。
どこを取っても私より女の子らしい。
私が勝てるところといえば……
年齢と身長と髪の毛の長さくらい?
年齢と身長なんて勝ちたくないし。
臨と並んでいると、自分がみじめになる。
しかも、臨は年上からモテるのだ。
こんなの、付き合ってらんないじゃん。
私の苦しみも知らずに臨は今、目の前にいる。
「はい、これ」
ピンクのリボンがかかった小さな茶色い箱を手に、
大きな目を私に向けて、
私の大好きな臨が
目の前にいる。