冬恋物語-Winter love-
「……何?」
「逆チョコってやつ」
満面の笑みを見せながら答える臨。
そっか。
今日はバレンタインなんだ。
「……どうして」
「オレ、結佳のこと諦めてないから」
「臨……」
私は臨から箱を受け取り、思いっきり臨に抱きついた。
私は馬鹿だ。
自分がみじめになるからって理由で臨と別れて。
私はいつも、自分のことばかり。
「臨、ごめん」
「……え?」
「私も、好き」
「……良かったぁ」
私は臨から離れ、その小さな口に軽くキスを落とした。
end