冬恋物語-Winter love-
・ストロベリーな彼
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細見は学校一の不良であり、
学校一の甘党だ。
多分。
「フルーツサンドとイチゴオレ」
今日もヤツはそう言って、鋭い切れ長の目をこちらに向けながら
500円玉を突き出してきた。
「はいはい」
ヤツのパシリはもう慣れた。
ブラックコーヒーや微糖のコーヒーを買ってきたら本気で怒られること、
メロンパンやフルーツサンドなど甘い菓子パンを主食としていること、
イチゴオレが好きなこと。
不良である細見のこんな可愛い一面は、きっと私しか知らないはずだ。
そう思うと、なぜか嬉しくなる。