ツギハギの恋

翌朝、あたしはまどろみながら目を覚ました。

何だかいつもより布団があたたかい。


しばらくうとうとしていると昨日の事を思い出しハッとして隣を振り返った。

隣ではすやすやと寝息をたててひなたが寝ている。

昨日は腕枕の状態で寝ていたのにあたしはいつの間にかひなたに背を向けて寝ていたみたいだった。


あーあ……

あたし結局、ひなたと一緒に寝たのかよ。


ため息の後しばらくひなたの寝顔をぼんやり見ていると何だか触りたくてうずうずしてきた。

綺麗なものに触れてみたい。

始めはそんなものだったのかも知れない。


そっと頬に手を伸ばすと顔を近づけて近くで覗きたくなった。

顔を近づけるとあたしは無意識に呼吸を止めてひなたの方に身を乗り出していた。


綺麗なものに対して敬意を示すようなキス……。


唇を離した瞬間、我に返って自分のしたことが間抜けに思えて軽い自己嫌悪だった。



単なる欲情じゃねーか……

アホらしい。