ツギハギの恋
階段を下り1階の渡り廊下に差し掛かったあたりでようやくあたしはあっちゃんの手を振り払った。


「痛いってマジ何なわけ?」

怠そうにあたしが口を開くとあっちゃんはむきになって突っ掛かってきた。


「昨日の男は何なんだよ!?お前いい加減にしろよ!」

「は?何が?あたしあっちゃんとは別れたし関係ないじゃん」

「俺は別れねぇって言ってんだろ!?」

「マジ意味わかんない。こっちが終わりってんだから終わりでしょ?バカじゃねーの?」


わざと嫌われるように鼻で笑いながら言ってやった。
我ながら嫌な女……


あっちゃんはぐっと口を結んだかと思うとあたしの目を見て口を開いた。


「バカでいいよ……俺はお前のこと好きだから。別れたくない……」




あ、ヤバイ

涙腺にきた。



好きだったこと。それと同時にあっちゃんに対する怒りが込み上げてきた。

浮気したくせにバカじゃねーの……。
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