ツギハギの恋
「……好きなら裏切ってんじゃねーよ……」


小さく呟いた。

怒りにまかせてあっちゃんとユリの浮気を口にしかけた時だった。



「ミリー!おはよー」


あっちゃんの向こう側からユリが手を振り駆け寄ってきた。

なんつータイミングだよ。

つーかお前何だ?


は?


呆気に取られ開いた口が塞がらない。

何だお前?


「ミリー今日早いじゃん?淳くんおはよう」


あたしらを前に平然とした態度のユリの人格を疑ってしまう。


こわ……
つーか気持ち悪い。


内心はドン引きだったがユリの手前、何事もなかったように瞬時あたしも笑顔を作った。


「今、自販機にジュース買いに行くとこだったんだ」

「あ、あたしも行くー」


ユリとあたしの何気ない会話にあっちゃんだけが渋い顔をしていた。

そらそーだろ。
女は怖い……



「あっちゃん、じゃあね」


あたしは普通にそう言ってユリと共に買いたくもないジュースを買いに向かった。
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