ツギハギの恋
第6章

電波

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ねぇミリちゃん


覚えてる?



俺はミリちゃんに『プー』って呼ばれてた。



いつもミリちゃんの側にいたし、ミリちゃんも俺を側に置いてくれた。

いつも一緒だった。




ミリちゃんはいつも俺を抱いてた。

ギュッと俺を抱きしめてた。


ミリちゃんのパパとママがケンカしても俺がミリちゃんの側にいた。

なのに泣いてるミリちゃんに俺、何もしてあげられなくて……。



ねぇミリちゃん


俺はいつだって側にいたんだ。

でも君は俺を忘れていくし

俺は君を抱きしめたくても触れることすらできなかった。


君が泣いている時に俺はいつも見てるだけ。

どんなに想っても願っても俺は君に何もしてあげれない。



ねぇミリちゃん

好きって痛いんだね。


こんなに淋しいのも悲しいのも苦しいのも。




俺の想いは届かないから。







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