ツギハギの恋
授業が終わるとあたしはクラスの女子数名に囲まれた。

昨日、あたしとひなたの事を聞いてきた子達だ。

内容はもちろんさっきの事なんだろう。


「中田さん、夢前先輩とやっぱ仲いいじゃん!」

「付き合ってたって言うか今も続いてんの!?」



うるせーしマジほっとけ。

心の中で呟いて笑ってごまかす。


「てか昨日の帰りに仲良くなったばっかりだから」


「マジで!?中田さんから話し掛けたの?」

「仲良くとか羨まし〜い」

「ねーウチら声かけらんないもん」


ひなたの話で盛り上がられてもこっちは置いてきぼりだ。

あたしはわざと意地悪く聞いてみた。


「話しかければいいのに?」

「緊張して何喋っていいかわかんない!それに夢前先輩こわそうだし」




こわそう?

ひなたが!?


彼女達はひなたが真面目な顔でふざけたことを言うのを見たらどんな反応をするんだろう。


残念なイケメン。


そう言われるようになるのも時間の問題だ。
< 238 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop