ツギハギの恋
『先輩、あたしと付き合いません?』
ノリで言えそうな気もするが怖くて口に出せない。
思えばあたし今まで告白したことないんだよな……。
俯いて考えているといきなり頬を両手でギュッと挟まれた。
「なーかたさん?大丈夫?」
ビックリして目線を上げるとひなたがあたしの頬を両手で挟んだまま首を傾げて覗き込んでいた。
「どうしたの?急におとなしくなって」
「いえ……考え事を……」
距離が近くてドキドキする。
てか、何だこの体勢……。
ひなたはあたしの頬を掴んだままじっと見つめる。
近!!
コイツ見すぎだろ!?
恥ずかしくなって視線を落とすとグッと頬を固定するように押さえられた。
そして驚く間もなく、ひなたの唇があたしの唇に触れた。
「りんご味のチュー……」
「えっ……」
意味がわからない。
お前何で今、キスした!?