ツギハギの恋
屋上にひとり取り残されたあたしは、差し出されたりんごジュースのパックを手にフェンスごしの景色を眺めて呟いた。
「……あーいい眺め……」
呟いた後、手にしたりんごジュースのストローを口につけてズズーッと啜る。
「……入ってねーし」
空っぽのパックをぶらぶらさせて振ってみる。
この状況が虚しい。
あたしにひなたを押し倒す勇気はなかった。
拒絶されるのが怖くて、差し出されたジュースのパックを黙って手に取ってしまった。
『もう一口』
意味が通じなかったのか……。
意味がわかってあたしにジュースを差し出したのか……。
ひなたの気持ちが掴めない。
「……何でキスなんかするんだよ……」
パックを潰すとりんごジュースの香りがふわっと広がった。
りんご味のキス……
甘いよりすっぱい。
ひなたに近付けたようで遠い。
「……あーいい眺め……」
呟いた後、手にしたりんごジュースのストローを口につけてズズーッと啜る。
「……入ってねーし」
空っぽのパックをぶらぶらさせて振ってみる。
この状況が虚しい。
あたしにひなたを押し倒す勇気はなかった。
拒絶されるのが怖くて、差し出されたジュースのパックを黙って手に取ってしまった。
『もう一口』
意味が通じなかったのか……。
意味がわかってあたしにジュースを差し出したのか……。
ひなたの気持ちが掴めない。
「……何でキスなんかするんだよ……」
パックを潰すとりんごジュースの香りがふわっと広がった。
りんご味のキス……
甘いよりすっぱい。
ひなたに近付けたようで遠い。