ツギハギの恋
憂鬱なあたしをよそに、ひなたは天井を仰いで静かに寝息をたてていた。

綺麗な寝顔を見ていると思わず吸い込まれそうになる。

あたしは静かにベッドに入ると、そっとひなたの胸に抱き着いてみた。

細身なのにしっかりと筋肉の付いた体……

犬なんかじゃなくてちゃんとした男の子の体……。


あたしは明日のことから逃避するかようにひなたの体に甘えていた。

ひなたの心音と体温があたしには心地よかった。

いつの間にかウトウトしていると気のせいか頭を優しく撫でられている感じがした。

そしてそのまま意識が遠くなっていった。
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