ツギハギの恋
リビングに行くとテレビがつけてあり、テーブルに菓子パンが置いてあった。

お姉ちゃんが買ってきた朝食用のパンだろう。


昨日買った餌皿にドッグフードを入れてやるとひなたは律儀にいただきますを言って食べ始めた。

あたしもコーヒーを入れて朝のニュースを見ながらパンを食べ始める。


「おはよ……」


パンを食べ終わる頃、お姉ちゃんがバスルームの方から髪をタオルで拭きながらやってきた。


「お姉ちゃんおはよう。ここにあったパン食べたけどよかった?」

「あんたのぶんよ。あたしにもコーヒー頂戴」


お姉ちゃんは大概、朝風呂に入ってから出社する。
あたしよりも家を出るのが後だ。

コーヒーを入れてお姉ちゃんに出すとお姉ちゃんはひなたを見ながら呟いた。


「この犬、名前何だっけ?」

「ひなた」

「学校行ってる間、あんたの部屋に入れといてよ。犬ってその辺の物を噛んでボロボロにするんでしょ?」

「え?」


チラリとひなたを見ると聞いているのかいないのか餌に夢中で全くリアクションがなかった。


部屋がボロボロに……

まさかね……




ひなたに一人で留守番させるのが不安になってきた。
< 39 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop