ツギハギの恋
朝食を終えると顔を洗い、自分の部屋で制服に着替えメイクを始めた。
そしてスタイリング。

気合いを入れる為に髪をコテで巻いてみる。

振る男の前でも綺麗でいたい女の執念かもしれない。

でも嫌いで振るわけじゃない……。


浮気されてたあたしの意地だ。




「ミリちゃん髪がくるくるだ。可愛いー」


ひなたが膝に乗り話しかけてきてもあたしの反応は薄い。


つーか
可愛いあんたに言われても嫌味みたいだわ……。


一通り支度が済むとあたしは言い聞かせる為にひなたを目線の高さまで持ち上げた。



「いい、ひなた。大人しく留守番しててよ。部屋荒らしたらシバくから」

「大丈夫。俺ちゃんと待ってるよ。早く帰って来てね?」

「わかったわよ。じゃ、行ってくる……」

「気をつけてねー。ミリちゃん行ってらっしゃーい」


犬の姿で人の言葉を喋るひなたに今だ違和感を感じながら、あたしは部屋を後にした。


憂鬱だ……

本当、学校行きたくない。
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