ツギハギの恋
結局、家まで帰るのに2時間かかった。

あの距離を1時間ってどんだけはえーんだよ……。


おかげであたしはぐったりだった。
もう二度と学校から歩いて帰んない。

もう少し遅かったらお姉ちゃんの帰宅時間とかちあってただろう。



「ひなた、もうすぐお姉ちゃん帰って来るから犬に戻ってよね」

「んーわかった。トイレ行ってからー」


そう言うと、ひなたはソファーから立ち上がり普通にトイレに入って行った。


――ん?

てか、ひなたが普通にトイレ行けるなら犬用のトイレシートっていらなかったんじゃないの?


ふと疑問が浮かび、ひなたがトイレから出るとあたしは確認も含めて尋ねた。


「ね、あんた普通に人間のトイレ使えるのよね?」

「うん、何で?」

「それって犬の時も出来るってこと?」

「うん、便器に体が落ちないようにちゃんとやれるよ?」

「じゃあトイレシート……いらなかったんじゃね?」

「うん。俺がトイレのドア、カリカリしてミリちゃんが開けてくれればトイレでするよ?」




お前トイレシートいらんかったんかい!?


「何で言わないのよ!?いらないなら買う前にいいなさいよ!」

「だってミリちゃん、いるいらない聞かなかったじゃん?」


当たり前のように言われてあたしは返す言葉もなかった。
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