ツギハギの恋
食事を終えると食器を洗って部屋に戻った。

部屋に戻るなりひなたは犬のまま人間の言葉で話し出す。


「俺、去勢だけは絶対嫌だ!ちゃんと人間に合わせて生活できるよ!?」

「……わかってるわよ」


去勢なんて考えてもなかった。

もしひなたを去勢したら竿ありのタマなしにでもなるのだろうか……

てか工事中のニューハーフじゃん。



「あんたって犬だか人間だか本当わかんない」

「んー、それはミリちゃん次第だよ。俺はミリちゃんの物だからね」

「意味わかんねー」

「俺のこと好きにしていいよ?」

「黙れクソ犬」


あたしが暴言を吐くとひなたはゲラゲラ笑った。

犬でよかった……。

人間の姿のひなたから「好きにしていいよ」なんて言われてたらあたしは赤面してただろう。


本当、意味不明な物を飼ってしまった。
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