私が海に還るまで




はっきり言うと父親を恨んでいる





そのまま帰ろうかと少し離れてもう一度家を見上げた






その時ガシャガシャと音が聞こえ振り向くと





赤いランドセルを背負った少女が



息を切らしながら立っていた







もし




もう一度




あの時に戻れるのなら




俺は静かに微笑んで




その少女の横を通り過ぎる事が出来るのに__


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