スカーレット
そんな顔をされると、不安になる。
何が本当で何が嘘なのかもわからない。
みんなこぞって、どうして?
私にとってはみんなが頼りなのに。
そんな顔するくらいなら、嘘でもいいから安心するような言葉をかけて欲しい。
「そんなに……不幸な女だったの?」
奈津子は眉を下げたまま笑って、
「そうかもしれない」
と、申し訳なさそうに呟いた。
これ以降は写真を見ながら思い出話などをしたが、何を聞いても思い出すことなど一つもなかった。