スカーレット
「ごめんね、わざわざ来てもらって」
「いいのよ。何か聞きたいことがあるってことでしょ?」
さすが親友。
よくわかってらっしゃる。
なぜか正樹も部屋に居座る。
何?
一人じゃ寂しいの?
彼も何か情報を握っているかもしれないし、追い返す理由はないだろう。
「あたしね、自分のこと色々調べてたの」
奈津子と正樹が一瞬目を合わせた。
視線はすぐに私に帰ってくる。
「何か思い出した?」
「ううん。でも、色々わかったの」
「色々?」
頷くと、また二人が目を合わせる。
この二人、仲が良いのだろうか。
「あたし、自殺未遂だったんだよね」
二人は再び顔を合わせ、神妙な顔になった。