ヤバいくらいに溺れてる
「素直に一緒に寝たいって言えよ」

陽向がニヤリと笑う

「それ、あたしのセリフですぅ」

「あっそ。別に俺、一緒に寝たいなんて思ってないから」

「失礼な男ね」

「失礼な男に惚れたのは、あんただ」

「惚れてないわよ。付き合ってくれ…って頭を下げたからでしょ。仕方なくよ」

「ふうん。俺、頭さげてないし。仕方なく付き合ってるんじゃ、別れるか?」

「い…嫌よ。モデルと付き合ってるって自慢ができる良い機会なんだから…週刊誌にすっぱ抜かれるまでは、付き合っててあげるわよ」

「あっそ」

陽向が、床に横になるとあたしに背を向けた

何よ!

好きな女がこんなに近くにいるのに、手を出そうとしないなんておかしいでしょ!

恋人同士になったよ?

一緒に住んでるのよ

そういう関係になりたいって思わないの?

あたしは枕を引っ掴むと、陽向の顔面に向かって投げつけた

「鈍感男!」

「あ、枕を貸してくれるのか。どうも」

何とも感じてないのか

陽向が、枕を掴むと頭の下に入れた

「はい、おやすみ」

感情のこもってない言葉で、挨拶をして陽向が、腕を組んで身体を丸めた

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