近未来拡張現実エンタメノベル『MIKOTO-The Perfect PROGRAM』
☆握手通信(2)
程なく、にーちゃんのモバイルから「ダウンロードが完了しました」という声が響いた。握った手を離す。
「ありがとうございます!」
「いやいやこちらこそ。んじゃ、頑張ってねー!」
俺は手を振りサワヤカさんを演出しながら別れ、彼らの見えない場所まで自転車で移動する。
そして、サンセットビーチの居酒屋に「誘導完了」と電話連絡を入れた。
これはいわゆる紹介業。
一回紹介すれば、フトコロに千円ほどの紹介料が転がり込んでくる仕組みだ。
こんなふうにして俺は、ひとつひとつの実入りは少ないが、足を使って地道に生計を立てている。
ある時は紹介屋として、ある時はプログラマーとして、ある時は転売厨として、まあいろいろだ。
好きなことを好きなようにやって過ごす。
独り身の俺には、そんな人生で終わるのも悪くないかなと思いはじめていた。
気温が上がり始めた。本日の太陽は実にごきげんだ。
真夏の日光を容赦なく浴び続ければ、日焼けを飛び越え低温やけどを起こす。
レベル4、このまま自転車を漕ぎ続けるのは危険です。
そう判断して俺はいつもの喫茶店に移動を開始した。
程なく、にーちゃんのモバイルから「ダウンロードが完了しました」という声が響いた。握った手を離す。
「ありがとうございます!」
「いやいやこちらこそ。んじゃ、頑張ってねー!」
俺は手を振りサワヤカさんを演出しながら別れ、彼らの見えない場所まで自転車で移動する。
そして、サンセットビーチの居酒屋に「誘導完了」と電話連絡を入れた。
これはいわゆる紹介業。
一回紹介すれば、フトコロに千円ほどの紹介料が転がり込んでくる仕組みだ。
こんなふうにして俺は、ひとつひとつの実入りは少ないが、足を使って地道に生計を立てている。
ある時は紹介屋として、ある時はプログラマーとして、ある時は転売厨として、まあいろいろだ。
好きなことを好きなようにやって過ごす。
独り身の俺には、そんな人生で終わるのも悪くないかなと思いはじめていた。
気温が上がり始めた。本日の太陽は実にごきげんだ。
真夏の日光を容赦なく浴び続ければ、日焼けを飛び越え低温やけどを起こす。
レベル4、このまま自転車を漕ぎ続けるのは危険です。
そう判断して俺はいつもの喫茶店に移動を開始した。