近未来拡張現実エンタメノベル『MIKOTO-The Perfect PROGRAM』
☆第三次接近遭遇(2)
夕焼け空の店内に、巨大な隕石が降ってきた。
背中に夕陽の窓を背負い、丸テーブルにるるぶ観光情報誌を広げ、んうーと悩むような顔で左手でちこちことケータイを操作している観鈴コスプレの彼女がいた。
「あ」
彼女のこわばる声。
俺は冷凍サンマ。
「こ、こんにちは」
「い、いらっしゃいませ」
俺はコンビニ袋をカウンターの上に放り出し、一目散にトイレに向かってダッシュした。
トイレのドアを前に俺はぜいぜいと呼吸を整える。
なんだこの神展開は。
今日だけで二度も偶然に再会してしまったではないか。
運命、なんてものを信じたがる俺の鼓動がはみ出してこぼれている。全身が歓喜と絶望に震えている。
こうなったらもう何らかの覚悟を決めるしかない。何かをはじめられるかも知れない。
そう決意し、深呼吸を5回繰り返し、3回ほど咳払いをした後、俺は小刻みにぷるぷるしながらも店内に足を踏み入れた。
ハルヒ姿のまいらがニコニコしながら彼女に話しかけていた。生口島の観光スポットや注意事項なんかをことこまかに伝えているらしい。
ふと、彼女と目が合った。
がさごそと買い物袋を覗き込むと、袋状のものを取り出し、俺のほうにとことこと歩いてくる。
「・・・昨日のお礼」
うつむき、両手でその袋を俺に向けて差し出した。
「・・・これは?」
「・・・塩」
塩ですか。
「・・・食べて」
そのままじゃ食べれません。
俺は丁重にその袋を受け取ると、ジーンズのポケットに入れようとした。
入るわけがありません。
まいら様がこちらを見て超ニヤニヤしています。たたた助けてください。
夕焼け空の店内に、巨大な隕石が降ってきた。
背中に夕陽の窓を背負い、丸テーブルにるるぶ観光情報誌を広げ、んうーと悩むような顔で左手でちこちことケータイを操作している観鈴コスプレの彼女がいた。
「あ」
彼女のこわばる声。
俺は冷凍サンマ。
「こ、こんにちは」
「い、いらっしゃいませ」
俺はコンビニ袋をカウンターの上に放り出し、一目散にトイレに向かってダッシュした。
トイレのドアを前に俺はぜいぜいと呼吸を整える。
なんだこの神展開は。
今日だけで二度も偶然に再会してしまったではないか。
運命、なんてものを信じたがる俺の鼓動がはみ出してこぼれている。全身が歓喜と絶望に震えている。
こうなったらもう何らかの覚悟を決めるしかない。何かをはじめられるかも知れない。
そう決意し、深呼吸を5回繰り返し、3回ほど咳払いをした後、俺は小刻みにぷるぷるしながらも店内に足を踏み入れた。
ハルヒ姿のまいらがニコニコしながら彼女に話しかけていた。生口島の観光スポットや注意事項なんかをことこまかに伝えているらしい。
ふと、彼女と目が合った。
がさごそと買い物袋を覗き込むと、袋状のものを取り出し、俺のほうにとことこと歩いてくる。
「・・・昨日のお礼」
うつむき、両手でその袋を俺に向けて差し出した。
「・・・これは?」
「・・・塩」
塩ですか。
「・・・食べて」
そのままじゃ食べれません。
俺は丁重にその袋を受け取ると、ジーンズのポケットに入れようとした。
入るわけがありません。
まいら様がこちらを見て超ニヤニヤしています。たたた助けてください。