・・・桜のさいたら・・・
「ちびじゃないもん!みゆだもん」
美優は、すぐに言い返した。
現れたのは、声のわかる通り。
男の子だった。
夜の学校の敷地内になぜいるんだろう
片手をズボンのポケットに入れて……
まだ小さい美優を見下ろしてくる
暗闇の中。
五才の美優がみてもわかる。
男の子が、これまでに出会ったことのないきれいな顔をしていた。
街灯の薄暗い夜の中
整った清楚な顔立ち
一瞬、か弱そうな女の子かもと思ったが、美優は男の子だと気が付いていた。
いたずら好きな男の子のにおいが、そのにっと笑う口元から感じた。
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