・・・桜のさいたら・・・
「ねぇ? 階段、のぼるの?」
「そ」
そっけない言い方
思わずふくれたくなる。
美優が出会ってきた
年上は、みんな
美優に優しかった。
だから、男の子が
優しくない言い方をするたび
なんだか
どういう男の子か、知りたくなってくる。
だが一段、一段・・・・・・。
美優もちゃんと
のぼれるのを待ってくれていた。
手は、しっかり握られ。
美優が、こけたりしないように、気をつけてくれている感じだ。
美優がちゃんと
一段を登り終えるのを待ってから、次の段をあがる。
男の子だけならば、
あっと言う間にあがれるだろうということに、美優は気がついていた。
・・・待ってくれている。
(このひと、やさしいんだ)
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