・・・桜のさいたら・・・

「桜のさいたら?
 うん! 約束ね!
 みゆ。これで嬉しいこと、また増えた!」





無邪気に笑う



美優につられるように、龍之介も笑いをこぼす。





「なんだ、そりゃ」





龍之介は笑って、
星空を見上げた。





美優もまた、顔をあげた。




だが・・・・・・




満天の星――。




美優の大きな目にうつるのは、その星ではなかった。




見ていたのは・・・・・・



龍之介――。




美優は、つないだ手をぎゅっとにぎりなおした。









< 25 / 26 >

この作品をシェア

pagetop