婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
「ちょっとうるさいよ、葵」
隣で本日のおススメメニューAの鶏ささみチーズフライ定食を
美味しそうに食べながらもあたしを睨みつける同期の由紀。
「だってさぁ~聞いてよ、もう絶対にあり得ない事なんだもん!!」
「あり得ないって、まぁ普通は少女漫画の世界だよねぇ」
「でしょ、でしょ??普通のOLのあたしがまさか」
「よ、未来の社長夫人!」
面白そうに言うなぁ~・・
「何よ」
「他人事だと思ってない?」
「うん、当たり前じゃない」
「もう!!由紀に話したあたしがバカだった!!!!」
ガタン!大きな音を立てて席を立つと周りの社員が一斉にあたしを見る。
見られても構わない。
見るなら見なさいよ!!!
気にしないんだから!!
「葵?」
「何よ」
「一つだけいい?」
鶏ささみチーズフライを一度お皿に置いて、
あたしを真剣な顔で見る由紀。
何?
まさかアドバイスでもくれるの?
「由紀あんたってやっぱり」
あたしの友達だよ!!
そう言おうとしたあたしに
「サラダ食べないなら私に頂戴」
・・・・・
返って来たのは全く関係ない言葉。
「もう!!!由紀のバカ!!!」