婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
逃げてもいいって・・
まっすぐあたしを見る瞳は何処か色っぽくて。
本当にコイツ高校生なの?
って疑ってしまう。
「逃げないの?じゃあ合意って事でいい?」
逃げないの?って
こっちは逃げたい気満々なのに。
掴まれた腕とあたしの上に跨いでる体が邪魔で全く動けない。
「逃げてもいいなら離してよ」
「やだね、逃げないように押さえてるんだから」
言ってる事とやってる事、矛盾してない?
そんな事思っている間にも顔が近付いてきて
あぁまたコイツにキスされてしまう・・
そう思った時
「♪~~~」
スーツのポケットからカノンが鳴った。
「あの・・電話」
「やだ、続行」
今更だけど。
この子、かなりの我儘じゃない??
「電話、多分会社なんだけど」
「それでもやだ」
「お願い、慧」
「!?」
????
あたし今何か変な事言った?
慧の顔・・物凄く赤いんですけど・・
「あ、あの慧?」
「電話出なよ」
バッとあたしから離れて反対を向く。
一体どうしちゃったの?
取り敢えず、スーツから携帯を取り出して通話ボタンを押した。
「もしもし」