婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
サラダを由紀に押し付けて社員食堂を走って出る。
もう、何なのよ!!
人の話くらい真剣に聞いてくれたっていいじゃない!!
バンバン!!
エレベーターのボタンを連打しても今のこの状況が変わるわけないって
分かってるけど。
じゃああたしのこの怒りは何処に持っていけばいいのよ?
え?
あたしが何でこんなに怒ってるかって?
それは・・・
「か、片桐!!!」
朝の朝礼も終わって自分のデスクに戻り先輩から受け取った
資料に目を通していた時だった。
朝の朝礼に出てなかった部長が血相を変えてあたしのデスクの方に
ずかずか歩いてくる。
あれ?
あたしなんかミスった?
でも昨日の作った今年の売上資料に間違いはなかったはずだし。
会議で使うプリントもきちんと揃っているはず・・
不思議に思っているあたしに
「お前、しゃ、社長に一体何をしたんだ????」
は?
「社長・・ですか?」
首を傾げて聞いてみる。
社長ってあの社長・・だよね?
我が社でも入社式や式典とかでしかあまりお目にかかれない社長だよね?
あたしなんかしたっけ?
いやいや、お目にかかった事は一度か二度しかないし、
そんな失礼な事をしたら絶対に覚えてるはずだし。
「あのぉ・・あたし別に社長とは」
何もないんですけど・・
そう言おうとした時
「社長がお呼びだ」