婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
どうしてそんな自信満々な顔で言えるの?
どうしてそんな余裕ぶっこいた顔で言えるの?
どうして
あたしそんな慧の顔にドキドキしてんの?
「葵が俺を好きになったら・・」
そんな事絶対にあり得るわけないじゃない!
あたしがこんな子供を?
そんな事
天と地がひっくり返ってもあり得ない!!
「あたしは」
「何?」
あたしは
あたしは
「年下なんて大っきらいなんだから!!!!」
そう叫んでスイートルームを飛び出した。
バンバン!!
怒りをぶつけるかのようにエレベーターのボタンを連打する。
最近のあたしは八つ当たりしてばっかり。
唯一良かったのは響汰からプロポーズして貰った事かな?
プロポーズ・・
指輪・・
「あ~~~~!!しまった!!」
あたしってば肝心なことを!!
「指輪返してもらうの忘れてた~~~!!」
両手で頭を抑えたってもう遅い。
時間は巻き戻らないし
あんなこと言った手前、戻れないし。
チン!!
エレベーターの音と一緒に一気に体がしぼんでいく。
・・あたし何やってんだろう・・
はぁ・・
本日幾つついたか分からないため息をこぼして
エレベータに乗り込んだ。