婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?


振り向いたその先には

自動ドアの前に立つ慧の姿。


しかも笑顔で手まで振ってる。


あたしが今どんな気持ちか知らないで


どんな思いでこれからの事を考えてるか知らないで。



八つ当たり・・本当にその通りだと思う。


でも今のあたしに

冷静にアイツに会うことはできない。


さっきから握っている拳が震えてるのが分かる。


「今日休みでしょ?出かけようよ」


無理矢理にあたしの腕を引っ張る慧。


そうだよね。


コイツはいつもそうやってあたしの事を
引っ張って振り回してばっかで。


あたしの気持ちなんてお構いなし。


「どうかした?なんかあった?」

そんな事、今聞く?

あたしが今どれほどあんたの事怒ってるか

あんた分かってるの?

「・・して」

「は?」

「指輪、返してよ!!」

「何?してくれる気に」

「違う!!あたしが響汰から貰った指輪!!
あんたが抜いたんでしょ?」

「・・・あおい?」

「あたしがどれほど響汰からのプロポーズを喜んだか」


これからの未来をどれだけ楽しみにしていたか・・


「あおい、どうしたの?」

「っさい!!」

バシ!!





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