婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
響汰の声も聞かずに車のドアを閉めてさっき通った道を全力疾走して戻る。
なんて事したの?
最低なのは全部あたしじゃない!!
「はぁはぁ」
息が苦しい。
足も痛い。
別にもういいじゃん
でも
でもでも!!
会いたい
慧に会って
もう一度
「ごめん」
って謝りたい。
そして
「ありがとう」
って伝えたい。
ねぇ慧?
怒ってるよね?
最低な女だって
きっとそう思ってるよね?
でもあたし・・
どうしてももう一度慧に会いたいの。
マンションに着いてもやっぱり慧の姿はなくて。
「そうだよね、やっぱりいない・・よね」
そう思っていた時だった。
「あ~おい♪」
軽快な明るい声。