婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
ガヤガヤと騒がしい校舎。
次々と出てくる頭のよさそうな子達。
そんな生徒達をじーっと見ながら
「はぁ~」
ため息が出てしまう。
結局断れずにこうして慧が校門から
出てくるのを待ってるあたしって・・・
「弱いなぁ」
言いたい事をはっきり言えない自分が本当に嫌になる。
いつもその場に流されてばっかりで。
肝心の自分の気持ちは言えない。
あたしってどこまで・・
下を向いたその時
「あ、葵~~!」
遠くからあたしを呼ぶ声が聞こえて。
声の主はあたしが立っている方まで走ってくる。
こんな子供にも振り回されてるあたしって一体・・
「どうしたの?」
あたしを見つけた所から此処まで結構な距離があったのに
全く息一つ切らさず、ニコニコ笑顔で聞いてくる。
さすが、若いって凄い・・
「あの、実は」
慧は知らないのかな?
あたしが慧のお世話係に任命された事を・・
「実は?」
首を傾げて聞いてくる。
「あのね、実は」
「けい~~」