婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?
「え、ちょっと慧?」
慌てて呼びとめる女の子に
「行こう葵」
あたしの肩を抱いたまま足を進める。
「いいの?あの子」
「だってもういらないもん」
「いらないって」
そんなおもちゃみたいな・・
「あれ、どうかした?」
突然下を向いたあたしを不思議に思ったのか
顔を近づけて来た。
この距離は・・
ち、近い・・
「べ、別に」
「それとも・・妬けた?」
「な!!」
あたしがヤキモチ?
「あれ図星」
「図星じゃない!!大体あたし慧の事
好きじゃないって言ったよね」
一体この子は何を言ってるのよ。
あたしが
ヤキモチ焼くわけないじゃない。
「ふ~ん。じゃあさ、いつ好きになる??」
いつって・・
この子の辞書には
“諦める”っていう言葉はないわけ?
「好きになんかならないってば!!」
あたしが好きなのは響汰だけ・・
って
「あ~~~~!!」